前回お話したように、リスニングが聞き取れない理由には大きく３つあります。（前回のお話をご覧ください）

　第5回では、「3つ目の速すぎてついていけない」という問題について、耳よりアドバイスをさせていただきます。

　リスニングが速すぎて付いていけない！という経験は誰しもお持ちかと思います。だからと言って、何度も何度も繰り返し再生しさえすれば聞き取れるようになる、というものでもありません。1,2回聞いて理解できない文は、5,6回聞いても理解できないものです。

　「速いスピードで読めない文は、そのスピードで聞き取ることはできない」からです。

　ではこのリスニングのメカニズムを踏まえた上で、どのような練習をすればリスニング力が向上するのでしょうか。

それは、「シャドーイング」という練習法です！名前の通り、影のようにCDに付いて行く練習です。再生ボタンを押してCDが始まったら、0.5～1秒遅れにて、CDの内容をリピートして行きます。CDの内容を自身の口で再生しながら、同時に次の内容を覚えていくのです。

　次の英文が流れたとします。

In my case, I like to play tennis better than soccer because I have played it since I was 5 years old.

”In my case”を聞いた直後に”In my case”とリピートします。リピートしている間に”I like to play tennis”が流れるので、そこを暗記しておかなくてはなりません。次に”I like to play tennis”とリピートします。それと同時に”better than soccer”が流れるので、そこを暗記します。次に”better than soccer”とリピートしている間に次を覚えて…という具合に進めていきます。

　すなわち、1つ目のチャンクをリピートしている間に2つ目のチャンクを覚え、2つ目のチャンクをリピートしている間に3つ目のチャンクを覚え…と進めていくのです。1つのチャンクをリピートすることと、次のチャンクを覚えることを同時に行う力が付きます。

　この練習でカギとなるのが…「英文を聞いた通りに再生する力」と「チャンクを覚える力」です。実はこの2つは第3回及び4回でお伝えした「オーバーラッピング」と「リプロダクション」にて身に着くのです！

　そしてこの練習を繰り返せば、スクリプトを見ずとも、速いスピードで英文をリピートできるようになります。

速いスピードで読める文は、そのスピードで聞き取ることもできるのですね！

「きちんと身に着く英語」をモットーのもと、

ILSでは、言語のメカニズムを熟知した上で、生徒様にとって最良の学習法を提供させていただいております。

　次回は、このメカニズムを応用した速読法についてお話いたします！乞うご期待を！